視覚の障害(IT眼症)

1)近視と遠視

パソコンで様々な作業が可能になり、私たちは日ごろモニター画面を見ながら長時間を過ごすようになりました。この結果常に近くを見つめることになり、眼の遠近の調節機能が衰えて近視になったり、近くを見る機能も低下して老眼(遠視)になったりします。成人後も近視の度が進んで止まらない人は、パソコン画面の見すぎによる可能性が高いです。

2)内斜位と外斜位

近くのものを見る場合、水晶体による調節だけでなく、両目が真ん中を見つめて「寄り目」の状態になります。近くばかりを見すぎると「寄り目」が元に戻らなくなってしまうことがあります。これが内斜位で、スマートフォンでより多く起こることから「スマホ内斜位」などと呼ばれています。 逆にもともと両眼が外側を向いている(外斜位)人は、「寄り目」が苦手ですから近くを見る際に片目でしか見ないことが少なくありません。そうなると今度は外斜位が進行してしまいます。

3)ドライアイ

近くにあるパソコン画面を見つめていると、眼のまたたき(瞬目)が1/3に減るうえ、涙腺からの分泌も減って眼の表面が乾く、いわゆるドライアイの状態になります。コンタクトレンズを装着している人は、パソコン作業中に目が乾くのを実感したことがあるでしょう。